S&P500急落の原因

年初からS&P500をはじめ、アメリカ株の軟調な推移が続き、3月に入ってから5%程度下落しております。
更にはドル建で保有している場合、足ともの円高がダブルパンチとなり資産額が大きく減っている方も多いと思います。
足ともとなぜS&P500が下落しているのか、要因をまとめました。

1.米国経済の減速懸念
最近の米国の経済データでは、製造業の受注が急減したり、民間部門の雇用者数の勢いが減速するなど米国経済の減速が目立ちます。
その理由が、米国の中央銀行であるFRBが高い政策金利を維持しており、高金利環境が続いていることが挙げられます。
高金利環境においては、経済の血液であるお金の循環が悪くなり経済活動が減速しますし、株などリスク資産への投資も手控えられてしまいます。
景気を支える為には政策金利を低くしてお金の循環を良くすれば米国経済は回復するのですが、ここで問題になるのがインフレです。
インフレを抑え込むためには高金利環境を維持する必要があるのです。
本当は景気を支えるために金利を低く誘導したいけど、インフレが収まるまでは高金利を維持しなければならない「ジレンマ」に陥っているのです。

2.予測不能なトランプ大統領
トランプ大統領は就任後、矢継ぎ早に各国への関税政策を打ち出しており、既に中国、メキシコ、カナダに関税を課しております。
今後も幅広い貿易相手国に関税を課すことが予想されます。
その他、ウクライナとの鉱物資源協定の合意協議が決裂したことで、西側諸国との分裂が浮き彫りとなる等、世界の枠組みからの孤立が目立ちます。
これら、トランプ大統領の大立ち回りが投資家心理を悪化させております。

3.ハイテク分野、テック分野の株の下落
S&P500指数におけるテクノロジー関連企業の割合は40%〜50%とも言われており、昨年までS&P500指数の上昇に大きく貢献してきました。
しかし、中国のDeepSeakの台頭による米国AI産業のバリュー低下や、それに付随する半導体関連株、ハイテク関連株が昨年まで大きく上昇した分の調整局面に入っています。

4.欧州株指数の上昇
ドイツ政府がインフラや防衛費に約1兆ドル規模の支出を決め、欧州中央銀行が政策金利を引き下げるなど、経済刺激作が次々と打ち出されており、欧州の経済成長が加速すると思惑から、欧州株指数に買いが入っておりおります。
機関投資家をはじめ、世界の投資マネーが米国から欧州へとシフトしていることも米株の下落に繋がっていると思われます。

反対にS&P500が反発しうる要件としては、①米国経済指標の復調➕インフレの落ち着き、②トランプ大統領の関税政策に目処がつく、③ロシアウクライナの停戦、④ハイテク分野の調整が終了する、等が挙げられます。

これ等に関連したニュースには今後も注目が必要です。

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