Market 2025.5.15(米国生産者物価指数予想を下回る)米金利低下でドル円は145円台へ下落!気になる今後のFRBスタンス

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東京時間

ドル円は、来週開催で調整中の日米財務相会談で為替が議論されるとの見方も広がる中、日経平均株価の軟調推移もあって軟調な推移となり、145円台まで下落。
各企業が今年の想定為替レートを145円付近に設定する中、本邦輸出企業によるヘッジのドル売りも相応に出ていることが想定される。

日経平均は、前営業日比372円62銭安の3万7755円51銭と、続落して取引を終えた。
米中の緊張状態が緩和して以降、短期間で急上昇した反動により利益確定売りや、やれやれ売りが続いた。

海外時間

4月米国小売売上高は前月比+0.1%と、3月+1.7%から伸び鈍化も予想を上回った。
同時刻に発表された米4月生産者物価指数(PPI)は前月比-0.5%と、3月から伸び拡大予想に反し、23年10月来のマイナスに伸びが減速。
前年比では+2.4%と、3月+3.4%から予想以上に伸びが鈍化し、昨年9月来で最低。
変動の激しい食品や燃料を除いたコアPPIは前月比-0.4%。
前年比では+3.1%と、予想通り3月+4.0%から伸びが鈍化した。

その他、米労働省が発表した先週分新規失業保険申請件数(5/10)は22.9万件と予想を小幅上回ったが、依然低水準を維持。
労働市場の堅調さが再確認された。

PPIの予想外の伸び鈍化で、米国債は買われ4.47%まで金利低下。
ドル・円は146円26銭ま付近から、145円半ばへと反落。
SP500は24.3ドル高の5,916.92ドル、ダウ平均は271.69ドル高の42322.75ドル、ナスダックは34.49ポイント安の19112.32とまちまちの展開。

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トランプ大統領による関税劇場が踊り場を迎えて、各プロダクツが落ちつきどころを探している状況。
マーケットは次第に、米国の景気状況とFRBの利下げ時期を探る時間帯に入ってきた。
昨日発表された、米国生産者物価指数は市場予想を大きく下回り5年ぶりの大幅な落ち込みとなった。総じてマージンの低下を反映し、企業が関税引き上げによる影響を一部吸収していることを示唆しており、インフレ抑制と企業業績の悪化を暗示している。
解放の日以降、米国債券売り加速による米金利上昇が米政府の財政を圧迫する中で、トランプ大統領はFRB議長に対して「Mr. Too late」と政策金利の引き下げが遅いことを揶揄する発言を繰り返している。
一方で、FRBパウエル議長は、中立的な立場を維持し、経済指標を確認しながら慎重に判断を進めると断固たる姿勢を貫いている。

政府からの圧力で利下げに踏み切る可能性は低いものの、インフレの落ち着きが確認できればFRBも利下げに動く可能性がある。
現在、年内の利下げ折り込みが2回となっているが、3回程度まで織り込まれる展開は十分想定される。

CMEのFedWatchツール

しかし、昨日パウエル議長は「供給ショックがより頻繁、かつ場合によってはより持続的に起こる局面に入っている可能性がある。経済と中央銀行の両方にとって厳しい試練となる」と発言しており、インフレが目標の2%を下回ったとしても、供給ショックにより再びインフレが再燃するリスクに言及しており、利下げには慎重な姿勢を改めて示している。
また、2020年までは低インフレ下で「雇用の拡大」に注力し、低金利政策を進めてきたが、現在はインフレのリスクが高まっていることを強調するなど、政策決定の枠組みの変更を示唆していることから、今後もFRBのスタンスから眼が離せない。

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