私の心に刺さった本を紹介します。
ビルパーキンスさんの著書「DIE WITH ZERO」
「ほとんどの人は、死を迎える時に資産が最高額に達する」という導入に驚きました。人は、将来の不安や現状維持意欲から、時間を犠牲にして貯金を続け、それらを使い切らずに人生を終えるというのです。 もちろん、資産を相続するのは素晴らしいことですが、多くを犠牲にし過ぎる必要はないのだと気付かされました。 本書では、お金は物を買うためではなく、貴重な経験の為に使うことが人生を豊かにすると説明しています。 確かに今までの人生を思い返してみれば、車を買った時の喜びよりも、その車でどこに行って何をしたかの方が印象に残っていますし、貴重な経験だったと思えます。
これまでの人生を振り返ってみると、義務教育から高校生活、大学生活、社会人生活と、時間、ルール、評価等、労働者として優秀な人材を作るカリキュラムに縛られて生きてきました。一方で、そのルールに守られていた部分もあるのでしょう。ルールや時間を守り、ある程度の評価をもらっていれば、生きていく為に必要な給料を得ることができるからです。しかし、その給料を安定的に得るために一日8時間の長時間労働を継続し続けることで、自分の本当にやりたかったことを見ないようになり、いずれ見失い、この安定した生活が幸せなのだ、細やかな幸せを見つけることが大人になることなのだと、自分を納得させるようになりました。
世の中には、心配事が本当にたくさんありますから、貯金は多いにこしたことはありません。しかし、その為に長時間労働に身を削り続けていては、生涯を終える時、「もっとやりたいことをやればよかった、もっと家族との時間を大切にすればよかった」と後悔が待っているのでしょう。
生涯を終える時に後悔をなくす為に、生活の中で無駄を減らし、無理のない投資をして、資産を形成することを決めました。そうすることで長時間労働に身を削らなくても、投資プラスアルファで生活を維持して自由な時間を得ることがきっとできると信じて。投資だけで生計を立てるには簡単ではありませんが、投資で資産を少しづつ増やして自分の気持ちを安定させて、心理的にも物理的にも自分の時間を確保しながら人生を豊かにすることは現実的に可能だと思いました。
自由は時間をなかなか出来ていなかった趣味に使うのもよし、家族との時間を大切にするのもよし、貴重な経験の為に時間を使いたいと強く思えることができました。自分の人生を振り返り、これからの人生を考えるきっかけになると思います。日々に忙殺されて本を読む時間がない方でも、是非一度手に取っていただきたい一冊です。