これまで全く意識してこなかった銀行預金に利息がつく、「金利のある世界」がやってきました。
そんな中、どの銀行に預け入れすればお得なのか分析し、お金に対するリテラシーを高めていきたいと思います。
日本では物価の高騰を抑制する為に、日本銀行が政策金利を引き上げる「利上げ」を進めております。
これにより、日本にも「金利がある世界」が到来した。
「金利のある世界」では、お金の貸し借りに発生する利息が増えます。
その中でも、最も身近なものが預金金利です。
これまでは雀の涙ほどしかもらえなかった銀行預金の利息でも「金利のある世界では」お金を増やすことができるのです。
もちろん、預金金利がもらえるメリットばかりではなく、住宅ローン金利や会社を経営する為の借入利息も大きくなるデメリットもありますから、金融リテラシーを高めることでより良いお金の運用方法を知っていきましょう。
日本ではバブル崩壊後、景気を支える為に市場の金利をゼロに近づけることでお金の循環を良くする政策、所謂「ゼロ金利政策」を実施してきました。
一時は景気回復期待とともにゼロ金利政策の解除を試みたものの、アジア通貨危機やリーマンショックといった世界的な同時不況が訪れ、日本は世界で初めてマイナス金利を導入するなど長きに渡り低金利水準が続いてきました。
銀行の普通預金に1年に数十円の利息しか付与されなかったのはこのゼロ金利政策が理由ですね。
その背景には、不景気によるデフレがあったわけですが、世界的なエネルギー価格の上昇や円安、人手不足により、日本でもインフレが起きております。そのインフレを抑制するために日本の中央銀行である日本銀行は、2024年3月にマイナス金利政策解除と同年7月に0.25%への利上を実施し、2025年1月には0.50%へと政策金利を引き上げました。更に、今後も利上げが続くことが予想されております。
これにより、普通預金にもまとまった金額の金利が付与される世界が来たわけです。
バブル崩壊の年に生まれ、失われた30年しか知らない私にとっては感慨深いものがあります。
前置きが長くなりましが、どの銀行に預金を預けるのが良いか分析していきましょう。(調べは2025年3月7日時点)
1位 東京スター銀行 金利:0.6%(通常0.2%が条件を満たすと0.6%)
条件:以下のいずれかを満たす
①東京スター銀行を給与振込や年金受取の口座に指定、②資産運用商品を300万円以上保有かつNISA口座保有し、投資信託を購入。
その他特典
コンビニATMの出金手数料は、月8回までなら24時間365日いつでも無料
2位 auじぶん銀行 金利:0.41%(通常0.21%が条件を満たす場合0.41%)
条件:以下の全てを満たす場合
①三菱UFJ eスマート証券とauじぶん銀行の口座を連携する「auマネーコネクト」を設定すると+年0.10%。②「au PAY カード」の利用代金をauじぶん銀行の口座から引き落とされると+年0.05%(対象月の普通預金平均残高が上乗せ対象)。③「au PAY アプリ」とauじぶん銀行の口座を連携すると+年0.05%。
3位 SBI新生銀行 金利:0.40%(条件を満たし、ステップアッププログラムでダイヤモンドクラスになると0.40%)
条件:SBI証券との口座連携サービス「SBI新生コネクト」を利用(SBI証券口座を保有すれば投信や証券を購入しなくても連携を行うだけでOK)
その他特典
他行あて振込手数料が月10回まで無料、セブン銀行でのATM引き出しは何度でも手数料無料
4位 あおぞら銀行 金利:0.35%(条件必要なし)
その他特典
郵便局内に設置されている「ゆうちょ銀行ATM」なら365日いつでも手数料無料なほか、一部のファミリーマートなどに設置されている「ゆうちょ銀行ATM」も平日8:45~18:00、土曜日9:00~14:00は手数料無料
5位 楽天銀行 金利:0.28%(「楽天証券」との口座連携サービス「マネーブリッジ」を利用する場合0.28%)
条件:「楽天証券」との口座連携サービス「マネーブリッジ」を利用
その他:1 300万円を超えた分の普通預金は金利0.22%の適用。
6位 イオン銀行 金利:0.22%(イオン銀行Myステージ」のゴールドステージの場合)
7位 SBI新生銀行 金利:0.21%(ステップアッププログラム」でスタンダード、シルバー、ゴールド、プラチナの場合の金利)
7位 イオン銀行 金利:0.21%(イオン銀行Myステージ」のシルバーステージの場合)
7位 住信SBIネット銀行:金利0.21%(SBI証券の証券口座と連携する「SBIハイブリッド預金の場合)
参考:三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行の普通預金金利が一律で0.20%
1位の東京スター銀行は、年金、給与の受け取り口座に指定するだけで0.60%の金利がもらえるのはかなりお得に感じます。
2位のauじぶん銀行は、au経済圏の方には有利ですが、少し条件が多いですね。証券口座も支払いも全てauにしなければなりません。
3位のSBI新生銀行はSBI証券との口座連携だけで0.40%がもらえるので条件的にも簡単です。
ネット証券はSBIか楽天で口座開設する方が多いと思いますので、投資信託や投資をご検討している方にはお勧めです。
このように同じ普通預金金利でも、0.20%〜0.60%と開きが現れます。
人件費を抑えることができるネットバンキンが優位に立っていることがわかります。
反対に三菱UFJをはじめ大手メガバンクは人件費が高い分、サービスが良いのでは?と思うかもしれませんが、決してそんなことはありません。
店頭で手数料の高い金融商品をお勧めされるのが多いので、しっかりと調べて金利が高いネット銀行を選ぶことをお勧めします。
個人的には、SBI新生銀行のダイヤモンドクラスがお勧めです。
新生銀行とSBI証券を連携するだけで、ダイヤモンドクラスの条件をクリアできるので達成条件は比較的簡単です。
また、SBI証券には信託報酬が低い優秀な投資信託商品が揃っていることから、NISAを始めたいと思っているのであればSBI証券での口座開設も視野に新生銀行を選ぶのが良いと思います。
その他にも、「他行宛振込手数料が月10回まで無料、セブン銀行でのATM引き出しは何度でも手数料無料」といった利便性の高い特典もついている為、銀行に支払う手数料は限りなく少なく抑えることができます。
年初から日本銀行の要人は、足元のインフレ状況や春闘での賃上げ要請の内容を見て、継続的な利上げが妥当との見解をしていることから、引き続き日本の金利上昇の流れは続くことが予想されています。現に、日本の長期国債の利回りは2008年以来の水準まで上昇しおり、プロの投資家たちも日本の金利上昇を織り込んでおります。
ただ、気をつけなければいけないのは、日本のインフレは景景気は良くないにも関わらず原材料の高騰や人で不足が原因で発生するコストプッシュ型のインフレであることです。
本来、好景気でのインフレは、①経済が成長する、②人件費が上がる、③給料が上がる、④物を買う需要が増える、⑤需要が増えて物価が上がる
このように給料が上がり、消費が増えることによって発生します。
しかし、今の日本では、世界的な世界的なエネルギーの高騰且つ、円安のダブルパンチでガソリンや電気代が上昇しており、給料の上がり幅よりもインフレ先行して深刻化してしまっている、俗に言う「スタグフレーション」という環境にあります。
スタグフレーションが続けば、日本銀行も政策の舵取りが非常に難しくなります、再び不景気に舞い戻ってしまう可能性だってあります。
だからこそ対策をしてご自身のお金を増やす方法を考えて実践していく必要があります。
その一つとして最も身近なのが銀行預金です。
ゼロ金利環境下では雀の涙ほどしかもらえなかった預金利息が、金利がある世界では違います。
お金はお金が好きな人の場所に集まりますから、より高い金利、より良い投資先を探そうとする人の元へとお金が集まります。
たかが普通預金、されど普通預金、一時が万事です。
お金に対するアンテナを高くするきっかけにしてもらい、金利のある世界に備えましょう。