東京時間
東京株式市場で日経平均は、前営業日比174円60銭高の3万7160円47銭と、反発して取引を終えた。
米金利の上昇一服や朝方の為替円安を受けて、日経平均は一時400円近く値上がりする場面があったが、為替が円高方向に振れると、日経平均は上げ幅を縮小。
その中でも、三菱重工、川崎重工、IHIなどの貿易関連銘柄や、半導体銘柄に買いが入った。
為替は、朝方144円台を回復する場面もあったが、終始上値の思い展開が続き143円半ばまで上昇。
日本金利の上昇は一服したものの、引き続き金利上昇リスクがつきまとうことや、赤沢経済再生相は23日から訪米し、米政府との3回目の関税協議に臨む中で、警戒感から円高が進んだと思われる。
加えて、本邦輸出企業の想定為替レートが145円付近に設定されていることから、ヘッジのドル売りが相応に出ていることが想定される。
海外時間
SP500は、39.17ドル安 5,802.83ドル
ダウ平均 256.02ドル安 41603.07ドル
ナスダック 188.52ポイント安 18737.21
朝方トランプ大統領がEU(欧州連合)からの輸入品に対しに6月1日から関税50%を課すことを提案すると自身のSNSに投稿したことや、アップルに対しても高関税を課す姿勢を示したことを受け、米株は下落。(米国内で販売されるアップルのiPhoneが米国内で製造されていない場合、アップルが25%の関税を支払う必要があると警告)
ただ、ホワイトハウスは大統領発言を正式な声明だとは解釈していないと一部メディアが報じたことやベッセント財務長官が数週間以内にいくつかの大規模な貿易合意を発表する予定と発言したことが伝わると下げ渋った。
為替は、アジア時間からのドル安、円買いの流れを引き継ぐ中で、トランプ大統領の関税劇場再燃を警戒したドル売り、円買いも交えながら142円台へと下落。
2週間ぶりの安値水準で引けた。

日鉄のUSスチール買収 トランプ大統領提携を支持
NHKートランプ大統領 日本製鉄とのパートナーシップを承認する意向
バイデン政権下、国家安全保障を理由に買収が否認された日鉄によるUSスチール買収計画ですが、トランプ大統領は先月、政府のCFIUS=対米外国投資委員会に再び審査するよう指示していました。
そして、アメリカのトランプ大統領は23日、自身のSNSに「多くの検討と交渉の結果、USスチールがアメリカにとどまり、本社も偉大な都市ピッツバーグに維持し続けると発表できることを誇りに思う。これはUSスチールと日本製鉄の間で計画された提携であり、少なくとも7万人の雇用を創出しアメリカ経済に140億ドルの経済効果をもたらす。これはペンシルベニア州の歴史上、最大の投資になる。わたしの関税政策は鉄鋼製品が再びそして永遠に“メイド・イン・アメリカ”であることを保証する」と投稿し両社のパートナーシップを承認する意向を明らかにしました。
日鉄コメント「パートナーシップ承認の英断に敬意」
USスチールコメント「トランプ大統領に深く感謝」
トランプ大統領は、買収を承認するとは明言しなかったものの、日鉄が計画してた買収金額は140億ドル規模で、USスチールの元従業員の雇用も保証する内容の買収提案であったことを鑑みると、「少なくとも7万人の雇用を創出しアメリカ経済に140億ドルの経済効果をもたらす」との発表は暗黙承認と捉えて良いかもしれません。(USスチールの従業員数は2万人超なので7万人の雇用の根拠は不明ですが、、、)
このトランプ大統領の発表を受けて、USスチールの株価は一時26%上昇しています。

一週間のポイントまとめ
先週末、ムーディーズが米国債の格下げを発表したことで、週初は波乱の幕開けかと思われたが、後追いの格下げ発表にマーケットの反応は限定的となった。
NY連銀のウィリアムズ総裁、ジェファーソン副議長(FRB)副議長、米アトランタ連銀のボスティック総裁、は政策変更に慎重姿勢をしめしており、利下げの期待は後退。
米国債金利の上昇を警戒していたマーケットだったが、上昇したのはまさかの日本金利。
財務省が20日に行った、20年債入札の結果が不調となり、20年債を震源に超長期債に売りが入り、20年債利回りは一時2.555%と、2000年10月以来の水準まで上昇。
30年債利回りは3.1%、連れて、10年債利回りも1.50%へ上昇。
円金利の上昇をうけて、為替は143円台へ上昇し、株の上値も抑えられた。
週中央は、日本債券の売りで世界的に債券への注目が集まる中、トランプ減税法案を巡り、財政悪化懸念が広がっていることや、低調な米20年債入札の結果を受けて米債売りにも波及。
米10年債利回りは一時4.60%台に上昇し、米30年債利回りは5.09%台まで上昇した。
悪い金利上昇をうけて、株安、ドル安のトリプル安で反応。
週末にかけて、米債売りは一旦落ち着いたものの、投資家は積極的にポジションメイクできずリスク資産の株には買いは入りずらい環境が続いた。
かかる中、前述したトランプ大統領が6月1日からEUへ50%の関税を課すと示唆したことで、株価は再び上値が重くなった。
為替は、加藤財務大臣が、「為替水準は全く議論していない」、「為替レートは市場において決定されるべき」と発言したり、米大統領経済諮問委員会(CEA)のミラン委員長が、「政府が密かにドル安誘導の国際的取り決めを画策」しているとの見方を否定したことで、ドル安警戒が和らぎドル円は144円台まで上昇したが、こちらも不透明が拭えない状況から週末にかけてじりじり値を下げて142円台まで下落。

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