消費税はなぜ輸出企業に有利?トランプ大統領が非関税障壁と主張する理由!機能不全のWTO

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トランプ大統領就任後、日本への相互関税のロジックとして取り上げられた、「消費税🟰非関税障壁」
それと同時に輸出企業の消費税免除が注目されました。
今回は、その仕組みと、なぜトランプ大統領が非関税障壁と主張するかについて勉強したいと思います。

消費税は日本の輸出企業に有利なのか?

消費税は一般的に輸出企業に有利に働くと言われています。
その理由は、「輸出取引は消費税が免税になる」という制度にあります。

輸出企業が得をする仕組み

輸出企業は次のような形で消費税の還付を受けることができます

  1. 原材料や部品の仕入れ時には、通常どおり消費税を支払います(例:仕入れ税10%)。
  2. しかし、製品を海外に輸出する際は、消費税を課さずに販売します(ゼロ税率)。
  3. 結果として、支払った仕入れの消費税を国から還付(返金)してもらえるのです。

具体例

項目内容
仕入れ100万円 + 消費税10万円
輸出販売(免税)150万円(消費税なし)
差額(還付)支払った消費税10万円を還付される

消費税を払わずに仕入れ分の消費税を取り戻せるので、コストが軽くなります。
国内企業に置き換えてみると、消費税10万円分を支払い、その分を販売価格に上乗せして160万円で販売することになるので、単純計算で10%のコストの差が生まれるということですね。

トランプ大統領はなぜ消費税を非関税障壁と主張するの?

1. 輸出企業への還付が「輸出補助金」に見える

  • 日本企業が海外に商品を輸出すると、消費税(10%)が免税・還付される
  • 一方で、アメリカ企業が日本に商品を輸出する場合、日本の消費者は消費税を支払う
  • この構造が「日本企業は有利、米国企業は不利」と受け止めている

2. アメリカには連邦レベルの消費税が存在しない

  • アメリカは日本のような全国一律の付加価値税(VAT)制度がありません。
  • そのため、「輸出で還付される」仕組み自体に馴染みがなく、不公平に見える。
  • 「日本は自国の企業には税を戻し、アメリカ企業には課税する」という認識につながった。

輸出企業の消費税還付については、WTO(世界貿易機構)の基準に沿って定めているもので、国際ルールを破っている補助金というわけではありません。

ただ、日本側が「ルールに沿っているのだから問題ない」と主張するのは、少し浅はかな考えかもしれません。
それは、トランプ大統領がWTOを「アメリカに不利な組織」と批判しているからです。

トランプ大統領はWTOを批判している理由

トランプ大統領がWTOを批判する理由には、中国の存在があります。

トランプ大統領は、WTOのルールがアメリカに対して 不公平 であり、他国(特に中国)に有利すぎる と主張しています。
WTOでは中国などが「発展途上国」として優遇されており、関税や補助金の制限が緩やかになっており、特に中国においては既に大国となっていることから、特権的な扱いを受けるのは不当だと考えています。
また、中国による知的財産権の侵害を念頭に、知的財産の保護や国有企業の透明性なども含め、WTOのルールでは現代の貿易問題に対応できないと主張しています。

というのも、WTOでは全会一致(コンセンサス)が原則のため、1か国でも反対すれば何事にも合意できませんので、発展途上国と先進国の利害の対立、中国 vs 欧米などの構図が制度改革を妨げています。
立場の弱い発展途上国の主張を保護するために全会一致を原則としているのですが、その原則が仇となり、中国有利になっているということですね。

想像の域を越えませんが、中国のことですからWHOを買収して、自国に有利に働きかけている可能性は十分にありますしね。

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結論 まとめ

消費税は、消費税還付制度があることから輸出企業にとっては有利に働きます。
また、トランプ大統領は、日本企業はアメリカに輸出しても消費税は発生しないが、アメリカが日本に輸出すると消費税が発生するのは不平等であり、実質的な補助金(非関税障壁)と認識しています。

消費税還付については、WTOの基準に沿って定めた制度であり、日本のみならず諸外国でも適用されているものです。

しかし、トランプ大統領は、WTOの「自由貿易推進」の理念が米国を弱体化させ、逆に大国となった中国(発展途上国の地位に居座る)に有利に働いていることが不平等と主張しており、WTOを介さずに二国間・地域協定(FTA、RCEPなど)に注力しています。

そのため、日本側が「消費税還付はWTOルールに従って定められているもの」と主張したところで、トランプ大統領は、「WTO?それがなんだ?」「俺はそのWTOが問題だと言っているだよ」という展開になりかねないということですね。

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