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朝方に、日米財務相会談でベッセント財務長官と会談した加藤財務大臣が、「為替水準は全く議論していない」、「為替レートは市場において決定されるべき」と発言したことから、ドル安誘導の思惑が剥落しドル円は一時、144円台まで上昇。
しかし、足元懸念されている日本国債の買い手不足による日本国債売りがじりじり強まり、円金利が上昇するとドル円は143円まで下落。
リスクオフムードの中、株にも積極的な買いは入らず、日経平均株価は、前日比313円11銭安の3万6985円87銭と続落して引けた。
国債売りに潜む地方銀行リスク
ソニー生命、減損処理回避へ国債売却含め検討-金利一段の上昇リスク Bloomberg
↑↑日本国債の含み損が増え続けているため、生命保険会社が国債売却を検討しているという内容です。
生命保険会社だけではなく、特に日本の地方銀行は国債の金利上昇に戦々恐々としている可能性があります。
地方銀行は大量の日本国債を保有しているため、日本国債が大きく売られると自己資本比率が悪化します。
自己資本比率 は((自己資本 ÷ リスクアセット)× 100)企業の財務体質の健全性を図る指標で、
この指標が悪化すると、銀行の信用度が下がるというメカニズムです。
記憶に新しい出来事が、2023年にアメリカの、SVB(シリコンバレー銀行)が経営破綻した事例です。
米国債券を保有していたSVBは、米国債券が売られたことで自己資本比率が悪化。
銀行の信用度が下がり、預金者がつぎつぎと預金を引き出す、所謂「取り付け騒ぎ」が発生し、SVBは経営破綻してしまったのです。
日本の場合、自己資本比率が悪化すると金融庁から早急に改善対応が求められることから、金融システミックリスクの可能性は低いとの味方が大勢ですが、大量の国債の投げ売りが続き、自己資本比率が改善せず、更には預金者による預金引き出しが相次げば、ドミノ倒し的に地銀の経営が行き届かなくなる可能性があります。
特に、自己資本比率が低い銀行の株価は軟調になるかもしれません。
銀行の自己資本比率は、一般的に8%以下になると注意領域で、4%以下は危険水準と言われています。
頭の片隅に入れながら、日本国債の売り相場と金利上上昇を見てみてください。

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