注目材料抜粋
30日
中国4月非製造業PMI
米4月ADP雇用統計
米1~3月期GDP
米3月米個人消費支出(PCE)物価指数
30~1日日銀金融政策決定会合開催 金利据え置きがコンセンサス
5月1日
米4月ISM製造業景況指数
2日
米4月雇用統計
決算
30日 メタ・プラットフォームズ、マイクロソフト
1日 アップル
30日 東京エレクトロン
注目ポイント
米1-3月期GDP(国内総生産)速報値、米3月PCE(個人消費支出)価格指数、米4月雇用統計など注目度の高い米経済指標が相次ぐ。
トラおじの関税劇場を受けて、米企業の中には関税の影響を念頭に保守的な見通しを示すところも目立っており、労働市場の弱さやマインドの低下がみられるようだとダウンサイドリスクが高まるか。
マーケット全体は、ベッセント財務長官の市場への配慮が窺えたことで、一旦冷静さを取り戻してる。
トラおじもFRBのパウおじ解任を否定するなど、市場を意識した対応を見せており、こちらも安心材料。
中国との通商交渉においては、先週のベッセント財務長官の発言、「米中いずれも現状が持続可能とは考えていない」と述べた上で、「トランプ政権の目標は、世界の2つの経済大国のデカップリング(経済の切り離し)ではなく、中国の消費拡大と米製造業の復権」に詰まっている気がしている。
半導体工場を念頭に、安全保障上重要な産業の製造拠点を米国に移しながら、経済的には利を得る交渉を進めたいというのが本音だろう。
中国は「中国製造2025」という製造業強化の政策を10年計画で進めており、今年がその集大成にあたる。
グローバリズムの枠組みに参入することでその恩恵を受けながら、グローバルルールを無視して成長にブーストをかけてきた中国。
それに対して、機能しなくなったWTOを差し置いて米国が中国を封じ込めようとしている。
経済安全保障上の譲歩は考えにくいが、それ以外で合理的な交渉が進むことを期待したい。
2025.4.25 Market(米株続伸 米中貿易摩擦の緩和期待!)今週のまとめ
日銀会合注目点
日銀の金融政策決定会合はが4月30日~5月1日の日程で開催される予定。
マーケットでは、追加利上げの見送りがコンセンサスとなっているが、米国との通商交渉中につき、円安を招く政策は避けたいとの暗黙もあり、「植田和男総裁がタカ派的な姿勢を維持する」との見方もある。
昨年8月の令和のブラックマンデーの直後、内田日銀副総裁から「金融マーケットが不安定な場合は金融政策の調整は控える」と発言がされたが、今回のトランプ関税のパニック相場の際には、日銀からそのような発言はされておらず、利上げの旗を下ろしていない印象を持つ。
今回の日銀会合では、経済・物価情勢の展望(展望リポート)が公表される。
2025年1月に発表した経済展望見通しでは、2025年、2026年の物価見通しが引き上げ、利上げに踏み切っている。
日銀政策金利0.5%維持を決定】 緩和的な金融政策の中賃金上昇による物価上昇を予想
前述した通り、今回の利上げは見送りがコンセンサスだが、次回以降の利上げに布石を打つならば、今回の見通しで物価見通しを引き上げてくる可能性がある。
植田総裁の記者会見のトーンと併せて注目しておきたい。

FRB 利上げ折り込み
再来週にはFOMCを控えているので、中銀イベントが続く。
現状、FEDの年内利下げ折り込みは4回となっており、若干緩和期待を織り込み過ぎている印象。
パウおじの慎重スタンスを鑑みると、今後利上げ折り込みが剥がされる可能性はある。


相場見通し
日銀はコンセンサス通り据え置きを予想。
マーケットは若干日銀のタカ派姿勢を期待していることから、植田総裁がニュートラルスタンスであればマーケットのタカ派折り込みが剥がされて円安に作用する可能性がある。
展望レポートでの物価見通しがどうなるか次第だが、現段階で日銀が過度にタカ派姿勢を強めるインセンティブも少ないことから、個人的にはニュートラルスタンスを予想している。
GW前ということもあり、短期筋の円ロングポジションの解消も想定される為、ドル円は円安方向を予想。
上昇目処は145円。
FOMCの年内4回の利上げ折り込みも何処かで剥落する可能性があり、その場合ドル円150円付近までの寄戻しもあり得る。
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最後に相場見通しとは関係ないのですが、週末に読売新聞が「ベッセント氏「ドル安・円高が望ましい」、具体的な為替目標は求めず…日米財務相会談」という記事を出して、加藤財務大臣がすぐさまXで「事実無根」と火消しを行なっていたが、メディアの品格の無さには呆れますね。
自分たちさえへ儲かれば良いという収益選好的な姿勢ではなく、日本のためになる報道をしてほしいです。
メディアのスタンスには憤りを感じますが、メディアによるミスリードが群集心理を煽りマーケットに影響を及ぼすもの。
全てを冷静に判断して、心を乱さないことが大切だと改めて感じました。
今週も頑張りましょう。

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